2024.09.20
「ファミクロ」ってなに?
「ファミクロ」という言葉を最近よく聞きませんか?
「ファミリークローゼット(またはファミリークローク)」の略で、家族全員で大きなクローゼットを共有し、衣類や季節用品などを一緒に収納するスペースのことです。家族の持ち物管理が一元化できるため、最近の間取りでとても人気があります。
「ファミクロ」と「ウォークインクローゼット」は異なる?
ウォークインクローゼット(WIC)も同様に大きなクローゼットを指しますが、違いはあるのでしょうか?
ポイントとなるのは「誰のための収納スペースか?」という点。
ファミリークローゼットは家族全員が共用する収納スペースであり、家族の動線を考慮した設計が重視されます。それに対してWICは個人の部屋と繋がっていることが多く、その部屋を使う人のための収納スペースになります。
しかし巷ではWICであっても個人の部屋ではなくLDKに繋っているものも見受けられます。実際のところは、歩き回れる広さのクローゼット全般をWICと呼び、その中でも家族全員で使うことに特化したものをファミリークローゼットと呼ぶ、という解釈が近いのでしょう。
ファミリークローゼットのメリット
1. 家事効率の向上
衣類を一か所に集約することで、洗濯から収納までの動線がスムーズになり、家事の効率が上がります。
2. スペースの節約
個々の部屋に収納を設ける必要がなくなるため、その分居住スペースを広く使うことができます。また、クローゼット内に全ての物を収納するため、収納家具の数も減らすことができて、お家全体がすっきりとします。
3. 衣類・物の管理の効率化
家族全員の持ち物を1か所に集めることで、物の管理がしやすくなります。また季節ごとの衣替えや定期的な整理整頓が一か所&一度に済ませることができて効率的です。
ファミリークローゼットのデメリット
1. プライバシーの問題
家族全員がひとつのクローゼットを共有するため、プライバシーが守られにくいという問題があります。
例えば着替えは個室でしたい場合、わざわざ洋服をファミリークローゼットに取りに行く手間が増え、かえって生活動線が複雑になる可能性があります。
2.スペースが必要
家族全員の持ち物を収納するためには、ある程度の広さが必要です。クローゼットがほかの部屋を圧迫することがないよう、間取りを計画的に設計する必要があるでしょう。
ファミリークローゼットを考える際のポイント
1. 広さと収納量を見極める
ファミリークローゼットの広さは、今の家族の人数や持ち物の量だけではなく、将来的に増える(減る)場合も対応できるようにしておきましょう。
2. 家族全員の生活動線を考慮する
使う人全員の動線を考慮した配置が重要です。
例えば、洗濯機(もしくは干し場)の近くに設置すると、【洗う→干す→しまう】といった一連の家事効率が向上します。また家族で使うタイミングが重なる場合は行き止まりをなくしてウォークスルー(通り抜け)できると使い勝手が良くなるでしょう。
3. 湿気対策
湿気が溜まらないようにクローゼット内の風通しを考慮することが重要です。衣類のカビや臭いうつりを防ぐために、換気設備を設置したり室内窓をつけたりして、風の通り道を確保するようにしましょう。また除湿機を設置するのであれば電源も忘れずに設置しましょう。
事例をご紹介
事例1 > 各部屋への回遊性を重視で家事もスムーズ
・世帯人数:3人
・工夫点:玄関に繋がるファミリークローゼットは、リビング、洗面室、寝室へと通り抜けできるようにしていて、外出時や帰宅時の身支度・洗濯・掃除などの動線がスムーズです。
事例2 > もとは和室だったところをファミリークローゼットに
・世帯人数:3人
・工夫点:服を畳んで並べられる長めのカウンターを設えて、家族のだれの洋服がどれくらいあるのかが一目瞭然。洗面所にも近く、洗濯後すぐに片付けられるようにしました。
事例3 > 家族全員の使いやすいを詰め込んだ収納
・世帯人数:4人
・工夫点:回遊性のある動線を追求した間取り。ファミリークローゼットは一方はリビングに、もう一方はこども部屋へと通り抜けができます。さらにクローゼットを4区画に分けることで、ご家族一人ひとりの片づけや収納がしやすいように工夫しました。
事例4 > 衣類の洗濯から収納までを一部屋で完結
・世帯人数:2人
・工夫点:和室一室まるごとファミリークローゼットにして、隣の寝室から出入りできるように。さらにこのWICには作業台と乾燥機も設置した「兼ランドリールーム」。洗濯/乾燥・収納・作業台・着替えと全てを一部屋で済ますことができます。
ファミリークローゼットは家族みんなで使うもの。まず自分たちの暮らしの中で本当に必要かを考えることが重要です。
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