実家を“ワンルームスタイル”に大胆リノベ

両親と長年住まれていたご実家。そこへ戻られるタイミングで、今の家族と住みやすいようにリノベーションしたいとご依頼いただきました。

ご要望としてあがったのが、ひと部屋で日常生活を完結させる「ワンルームスタイル」。ご持参いただいた手書きの間取り図には、キッチンや寝室からウォークスルー、洗面室へと抜けられる見事な家事動線のレイアウトが描かれていました。その間取りをふまえ、より気持ちよく過ごせる工夫を3つご提案させていただきました。

まず1つ目が「抜け感を作ること」。玄関に入ってすぐにある壁は、奥に続く空間を見通せるよう角のとれたアール壁を採用しています。天井までの高さにせず、あえて上部に空間をもたせることで視線の抜けも意識しました。また玄関やLDKにバルコニーからの光を取り込むため、寝室に大きな室内窓を設置。室内窓を通してLDKからバルコニーへと視線も伸びていきます。

2つ目は「ワンルームのゾーン分け」。ワンルームでも集中して仕事ができるように、アールの腰壁で仕切られたワークスペースを設置。柔らかな曲線の腰壁でお部屋にも溶け込み、LDK全体の様子を伺いながら作業可能です。その奥には和室を配置し、本を読みながらほっこり過ごせる空間に。他の空間が開放的な分、あえておこもりスペースにしています。

最後は「大切な思い出を取り入れる」ための工夫。ご実家のリビングに使われていたシャンデリアは残しておきたいとお話がありました。そこでLDKからも室内窓を通して見える寝室の端に設置。思いの詰まったインテリアが、住まいをより一層愛着のわく空間へと仕上げています。